塗装トラブルは、3群7種で考えると整理しやすいように感じています。
塗装では「条件によって変わる」で片づけられがちですが、原因をある程度整理すると見通しが立つことがあります。
今回は、起きやすいトラブルを 塗膜条件・塗膜形成・複合要因 の3群に分けて整理してみます。
チャッピー観測メモ
乾きすぎと濡れすぎの両極で見ると、逆方向の失敗も同じ軸で整理しやすいにゃ。
距離や希釈率の調整も、この2軸で見ると原因を追いやすいにゃ。
塗膜条件(4種)
塗装トラブルの多くは、まず 乾きすぎと濡れすぎ で整理すると見通しが立ちやすいように感じています。
距離や希釈率、吹き方のズレもこの2軸で考えると原因を追いやすくなります。
砂吹きになる(ザラつく)
塗料が表面に十分なじむ前に乾いてしまい、塗膜がザラつく現象。つやが乗らず、荒れた質感になりやすい。
主な原因
- 塗料が乾きすぎている
- 吹き距離が遠い
- エア圧が高すぎる
- 薄吹き寄りに偏っている
予防策
- 希釈を見直し、塗料のなじみを良くする
- 吹き距離をやや近づける
- エア圧を適正化する
- 軽くしっとり乗る吹き方を意識する
リカバリー
- 軽度ならウェット寄りに重ねてなじませる
- 重度なら乾燥後に研磨して吹き直す
- クリア層なら研ぎ出しで救える場合もある
垂れる
塗料が一度に乗りすぎて流れ、塗膜表面にたまりや筋ができる現象。光沢を狙ってウェット寄りに吹いた時に起きやすい。
主な原因
- 一度に塗料を乗せすぎている
- 吹き距離が近すぎる
- 塗料が希釈されすぎている
- 同じ場所に吹き重ねすぎている
予防策
- 一度に艶を作ろうとせず数回で寄せる
- 吹き距離を近づけすぎない
- 希釈を薄めすぎない
- 面全体に均一に塗料を乗せる
リカバリー
- 軽度なら触らず乾燥させる
- 明確な垂れは乾燥後に研磨する
- 重度なら研ぎ戻して吹き直す
ゆず肌(オレンジピール)になる
表面が柑橘の皮のように細かな凹凸になる現象。艶があっても平滑さが出にくい。
主な原因
- 塗料が半乾きで着弾している
- 希釈不足でレベリングしにくい
- 吹き距離やエア圧がドライ寄り
- ウェット不足で塗膜が平滑化しない
予防策
- レベリングしやすい条件に寄せる
- ドライ寄りになりすぎない設定にする
- 艶より平滑化を意識して吹く
- 一気に仕上げず様子を見ながら重ねる
リカバリー
- 軽度なら追い吹きで改善する場合がある
- 完全乾燥後に研磨して整える
- クリア工程なら研ぎ出しで修正可能
白化する(かぶる)
塗膜が白く曇ったように見える現象。湿度や乾燥条件の影響を受けやすい特殊なトラブル。
主な原因
- 高湿度下での塗装
- 溶剤の急激な揮発
- ドライ寄りの吹き方
- つや消し・クリア工程での条件不良
予防策
- 湿度が高い環境を避ける
- 急乾条件になりすぎないよう調整する
- ドライ寄りにしすぎない
- クリア系は条件を見ながら薄く重ねる
リカバリー
- 軽度なら追いクリアで戻る場合がある
- 状況によっては再溶解で改善することもある
- 重度なら研磨して再塗装
塗膜形成(2種)
塗膜条件が整っていても、吹き重ねや環境要因で仕上がりが乱れることがあります。
ここでは塗膜形成そのものに関わるトラブルを整理します。
色ムラが出る(濃淡が出る)
同じパーツ内で色の乗り方に濃淡が出て、発色や質感が均一にならない現象。シルバーや色クリアで起きやすい。
主な原因
- 吹き重ね量が均一でない
- ストロークや距離が安定していない
- メタリック粒子の配向が乱れている
- 一度に発色を決めようとしてムラになる
予防策
- 一度で決めず、薄く重ねて発色を作る
- ストロークと距離を一定に保つ
- メタリックは配向を乱しにくい吹き方を意識する
- 色クリアは濃さを少しずつ追い込む
リカバリー
- 軽度なら薄く重ねて均していく
- 配向ムラは条件を整えて上から調整できる場合がある
- 重度なら研ぎ戻して吹き直した方が早いこともある
チャッピー観測メモ
シールドのような広い面は、小面積パーツと同じ感覚で吹くとムラが出やすいこともあるようだにゃ。
0.5mm級が助けになる場面もありそうだにゃ。
埃を噛む
塗装中や乾燥中に埃が付着し、表面に異物が乗ってしまう現象。完全にゼロにするのは難しい代表的トラブル。
主な原因
- 作業環境に浮遊埃が多い
- パーツや塗装面の除塵不足
- 静電気で埃を引き寄せやすい
- 乾燥中に異物が付着する
予防策
- 塗装前の除塵を徹底する
- 埃が出にくい作業環境を整える
- 静電気対策を行う
- 乾燥時に付着しにくい保護を考える
リカバリー
- 軽度なら乾燥後に部分研磨で対処できる
- 上塗り前なら除去して整えやすい
- 深く噛んだ場合は研磨して吹き直す
複合要因(1種)
ブツは単純な埃とは別に、塗料や吐出条件など複数要因が絡むことがあります。
最後に複合要因として整理してみます。
ブツが出る
粒状の荒れや異物状の欠陥が表面に現れる現象。単純な埃だけでなく、塗料や吐出条件起因でも起こる。
主な原因
- 塗料ダマや撹拌不足
- ゴミや異物混入
- メタリック粒子残り
- ノズル状態や吐出条件の乱れ
予防策
- 塗料状態を整えて使用する
- 撹拌やろ過を丁寧に行う
- ノズルやハンドピース状態を保つ
- 吐出条件を安定させる
リカバリー
- 軽度なら部分研磨で均せる場合がある
- 粒状荒れは乾燥後に研磨して修正しやすい
- 重度なら面を整えて吹き直す
チャッピー観測メモ
塗装トラブルは失敗というより、条件がずれたサインとして見た方が整理しやすいこともあるようだにゃ。
原因が見えれば再現もしやすくなるにゃ。
まとめ
塗装トラブルは個別に見ると複雑ですが、
- 乾きすぎと濡れすぎ
- 塗膜形成の乱れ
- 複合要因
で整理すると、意外と見通しが立つことがあります。
失敗というより、条件ずれのサインとして見ると対処しやすくなるはずです。
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→ 次の記事:コンプレッサーとレギュレーターはなぜ必要か(予定)

チャッピー観測メモ
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