クラファンで超音波カッターの出資募集を見かけたので一昔前に気になったときは5万円以上したのがいまはどうなっているんだろう?とちょっと気になって調べてみたらホビー用が2万6千円くらいで購入可能だったのでポチッと購入。
2日ほど使用してみたのでレビューしてみます。
同梱品
本体と説明書。オプション品の紹介。お試し用という位置づけの薄刃が1枚。標準刃は取り付けられた状態で1枚。あとは刃の交換に使用するL型の六角レンチ、という内容でした。
通常刃は0.4mm厚で薄刃は0.15mm。エッチングソーが0.1mmなので薄刃はそれよりやや厚い位なのか。
電源が内蔵されておりACアダプターがないのは◎。アダプターという文化、マジで絶滅してください。電源内蔵かType-Cのみの世界になりますように。
セッティング
説明書を読んでみると、先ずは付属のL型レンチで増し締めをしてくださいとのこと。お問い合わせの大半は増し締めしないことを起因とする固定が緩いために発生する事案らしく増し締め重要!のようなので早速増し締め・・・硬い。硬すぎる。40度ほどしめるよう説明書に書いてあるが、5度も動かん。ネジがなめたりしても嫌なので力業はやめて使い始めることにする。
ホルダー横の主電源を入れてハンドピースの押しボタンをON。無音。目で見た感じも変化なし。かすかにモスキート音のようなものがなっているかもしれない。気のせいか。ハンドピースにLEDがついているので手で覆って点灯確認をするとハンドピースのボタンを押したら点灯している。動作しているようだ。
切断してみる
ランナー
先ずは無難にランナーを切断してみる。刃をランナーに当てるとキーンと言う音がする。音はするが振動のようなものは感じられない。そしてほんの少しだけ力を入れてみるとするすると刃が入っていく。ほぼ重力に任せて本当に少しだけ力を入れただけだがぬるっと切断できた。バターのように・・・は少し大げさのような気もするがデザインナイフやアートナイフでは不可能な芸当。なのだが切断面は熱線か半田ごてライクなヒートナイフ、使用経験はないがそんな感じの熱で切断したような溶けが見られた。また、切断面もお世辞にもきれいとは言えない。これは先行き不透明感満載。
ゲートカット
ニッパーの二度切りの要領で二回に分けて切ってみる。ランナーの溶けを見る限り一度切りで直接パーツに沿って切るのは怖すぎる。パーツから1ミリ弱はなして切ってみたところ、ランナーより大分細いからか目立った溶けはなく、するっと切れた。切れはした。だがしかしニッパーで切った方が圧倒的に早い。切断面はやや荒いが少なくとも白化は見られない。
1ミリ弱残ったゲート跡をデザインナイフで処理をするように薄く切っていく。ちょっと怖かったが刃を水平に寝かして薄皮を剥いでいくようにゲート跡を処理していくと、期待したような結果が得られた。熱と言っても刃が熱を持つわけではなくあくまで摩擦熱であるため、刃を寝かしてパーツに水平に置いただけでは溶けたり切れたりしない。そしてゲート跡に接するとキーンと言う音がしてゲート跡が薄く切れてゆく。鰹節のようだ。普段からデザインナイフや模型用彫刻刀でゲート処理をしている人ならすぐ慣れて同じように処理できると思う。あくまで同じように、だ。ハンドピースの大きさとボタンを押さなければいけない点でちょっと難しいけどこれは慣れの問題だとは思う。
二度切りの二度目に相当する作業には使えそうだ。少なくとも白化はしない。慣れるまではザックリパーツに傷がはいってしまうのはご愛嬌。
ダボ、ダボ穴処理、あとハメ加工
本領発揮するのはおそらくこの工程だろう。結論から言うと期待通りの仕事をしてくれました。従来の作業工程はニッパーでザックリ切断するかピンバイスで切断したい箇所に穴を開けてからルーターで削ったりしていましたが、超音波カッターなら刃がはいるところは刃を入れてすーっとなぞっていくだけで切断できます。切断面はきれいとは言いがたいですが、それは従来のやり方でも同じ。見えない箇所なので問題なし。ざっくり、素早く切断できればいい。
その他
私は素組み・全塗装派で若干のディテールアップをしたりしなかったりなので派手な改造はしないですが、パーツをザックリ切断したり組み合わせたりして改造する派には重宝されそうです。
総括
見えない箇所の工作、ダボ、ダボ穴処理、あとハメ加工などには無類の効果を発揮すると思います。かなりの時短が期待できます。
白化させないゲート跡処理はハンドピース操作を慣れる必要がありますが、慣れればデザインナイフで処理するくらい精細な加工も出来そうなので期待大です。そのためだけに購入するにはややお高いですけど・・・。
薄刃はまだ未使用なので使用したら改めてレビューします。
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