2021年にボーンペイントと出会ってから信者となって失敗を繰り返しながらいろいろなモデルに塗装してきましたが、このたびリニューアル製品が発売されたので早速試してみました。
今回使用したのは以下の製品です。
- アンダーブラックⅡ
- ボーンミラーⅡ
- ボーンクロームⅡ
- フィニッシュクリヤ専用うすめ液
これらがどう変わったのか、変化が体感できないか、ぴかちゅうをピカピカに仕上げてみて検証していきます。
開封
ランナーは2つだけで非常にシンプル。説明書はなく箱の裏側に説明が印刷してあるだけというこれまたシンプルな構成。わかっていたことではあるがどう考えても塗装がメインです。
方針
下地として全体にアンダーブラックⅡを塗装して本体はボーンミラーⅡ、耳の先っちょと尻尾の付け根はボーンクロームⅡで仕上げます。顔のパーツも本体色とは違う色、ボーンクロームⅡにしたかったのですが、後はめ加工が面倒そうなので今回はまとめてボーンミラーⅡで塗っちゃうことにします。
アンダーブラックⅡの具合を確認するためにシャドウプライマーやハイグロスクリヤは未使用でいきます。
塗装単位に組み立て
顔のパーツを普通にはめた後に流し込み接着剤で接着。胴体もおなじく流し込み接着剤にて接着。普通すぎ。あとはゲート跡処理をして表面処理ですが、早く塗装したいのでパテや瞬間接着剤の使用は最小限でやや手抜き。サフレス塗装をするので粗めコンパウンドをチョンづけしてナイロンブラシをつけたルーターで表面を軽く磨きました。
下地塗装
サフレスでアンダーブラックⅡを吹いていきます。アンダーブラックは希釈済み塗料でしたが、アンダーブラックⅡもやはりそうでした。コスパ悪い。そして相変わらずの中蓋。こればっかりはしょうがないのでしょうか。しかしながらアンダーブラックはこのままだと自分的には塗りにくかったのでアンダーブラックⅡも希釈して吹いていきます。
希釈率は以下としました。
- アンダーブラックⅡ・・・1
- ボーンリターダー・・・0.1
- ボーンペイントうすめ液スタンダード・・・0.3
試し吹きをして若干調整しますが、リターダー含め1.3~1.5倍に薄めて使用していたので、今回もそうしてみます。トミアル商品開発部の方々から薄めすぎだと突っ込まれそうですが、そのままだと0.5口径のハンドピースを使用してもチトきついのでこのくらいに薄めてます。
ハンドピースは0.5口径、エア圧は0.1mpaほどで吹いてます。
一度目は軽く全体に吹いてそのままの勢いで全体に塗装。表面張力に期待をして、たれる直前までやや厚めを意識して吹いていきます。かなり薄めているので梨地になるリスクは低いのですが、平らなパーツ、特に小さくて平らなパーツは縁に塗料が溜まる、いわゆる額縁現象が起きやすいのでそうならないように加減を調整しながら頑張る。ハンドピースは5~7cmほどに近づけてウエットに吹いてます。
乾燥
24時間ほどの乾燥が推奨されていますが、表面が荒れてしまったりホコリが入った場合に研ぎ出しをするので3日間あけました。
平らな面で構成されている尻尾の縁にやや溜まりが出来てしまってましたが・・・見なかったことにします。また、早く塗装したかったので表面処理をおざなりにしてしまったツケが。尻尾にヒケが目立ちます。これも見なかったことに。それ以外は大きい頭や胴体のパーツも耳の先端や尻尾の付け根、背中の模様もテカピカに仕上がりました。さすがのレベリング性能。アンダーブラックを使い始めてからガイアのEXブラックは使わなくなってしまったのですが、アンダーブラックを覚えてしまうともう戻れません。以前、ボークスの店員さんからトミアル製品で一番売れているのはアンダーブラックだと聞いたことがありましたが納得の仕上がりです。
メッキ塗装
いよいよお楽しみのメッキ塗装です。ボーンミラーは無印もⅡもややブラウンがかった真っ黒な液体で塗料と言うより薬品のようです。分類は一応ラッカー塗料のようなのでお掃除は普通にツールクリーナーでできます。この真っ黒な液体を塗装すると定着して乾燥した瞬間にテカテカのミラー調になります。ナントカ銀を含んでそうな液体で化学の世界を感じてしまいますがそこは深く考えない。
ハンドピースのニードルを極力絞ってトリガーを引いたときに先端から塗布される塗料が肉眼で見えるか見えないかの状態で15cm以上、20cmほどハンドピースを離して吹いていきます。エア圧は0.08mpaほどでウエットに吹くときよりもやや低いくらいです。メタリックを吹くときは0.05mpaほどまで落として吹いていますが、それよりやや高いくらいです。
一年以上失敗と成功を繰り返して現在はこれで落ち着きました。失敗しないコツはとにかく少しずつ、病理的なほど軽めに吹くことだと思います。塗布量が多くウエットに吹いてしまうとパーツに定着した瞬間は黒い原液の色で数秒で溶剤が抜けてシルバーになるのですが、そうしてしまうと高確率でかぶりが発生してしまい、くもってしまいます。一回かぶりが発生して光沢が失われてしまうと厚塗りではフォローが効きません。剥がして再チャレンジか粒子が超細かいシルバー塗装と割り切るかになってしまいます。
ニードルを絞って遠目から吹く、いわゆるドライ塗装をするとパーツに塗料が塗布される前にある程度溶剤が飛んだ状態で定着するらしいです。そうすると原液の真っ黒い色ではなく定着したときからミラー調の銀色の塗膜になります。
塗装を重ねると光沢を帯びた黒から次第にメッキ調の銀色になっていき、最終的には重ね吹きをしても色が変化しなくなりますが、この段階で塗装を終えてしまうと仕上げのクリアを吹いて時間をおくと黒く変色してしまいます。なので、色が変化しなくなってからさらに2~3重に吹きます。正直、この工程は修行です。ニードルを極絞りしているのでなかなか厚みが出ず、さらに色の変化もないので結構辛いものがありますが、テカピカのために頑張ります。
フィニッシュクリア
メッキ塗装をして1日乾燥させた状態です。ぶっちゃけ、この状態がメッキ塗装の最盛期、一番輝いている瞬間です。しかしながら、この状態で終わるとほんの少し触っただけでも剥げてしまうし、触らなくても酸化して黒ずんでしまうのでフィニッシュクリヤを施して塗膜を保護します。
このメッキの上から低浸食フィニッシュクリヤ製品を塗布して塗膜を保護しますが、低浸食といっても浸食してしまうので、どんなにうまくいってもやや曇りが発生してしまいます。この曇りを最小限に抑えるのが難しい。メッキ塗装をした直後に輝くようなメッキ塗膜をつくりだすまでは割と簡単なのですが、この工程には泣かされました。
従来の低浸食クリヤ専用うすめ液ではなく新発売されたフィニッシュクリヤ専用うすめ液ならこの問題を解決してくれるであろうと固く信じて塗っていきます。
フィニッシュクリヤ製品は透明は希釈済み、トリコロールカラーは希釈されてない塗料として販売されていますが、透明製品もやはり塗りにくいので希釈します。
- フィニッシュクリヤ・・・1
- フィニッシュクリヤ専用硬化剤・・・0.1
- フィニッシュクリヤ専用うすめ液・・・0.2
- フィニッシュクリヤイエロー・・・0.04
- フィニッシュクリヤレッド・・・ごく少量
アンダーブラックと同程度の希釈率で塗布しています。
最初はハンドピースを20cm以上離してトリガーは絞り気味、メッキ塗装ほどではないのですが軽く、軽く全体に吹きます。遠距離から溶剤を飛ばしつつ、薄くドライに砂吹きして浸食を最小限に薄いクリア塗膜を形成します。この作業を15~30分程度あけて2~3回。この工程もなかなかの修行工程でキッツい。それでも塗膜保護のために頑張る。このときのエア圧はテストピースで試し吹きをしながらですが0.08~0.1mpaくらいです。
修行工程を終えると輝くメッキ塗膜が曇ってしまいますが、最終工程のクリア塗装ウエット吹きをすると輝きを取り戻します。取り戻すはずです。が、輝きをとりもでせずに何度失敗したことか。緊張する瞬間でもあり楽しみな瞬間でもあります。
エア圧を0.1mpaにあげ、ハンドピースを10cm未満にまで近づけてウエット吹きをします。これで塗装終了です。
仕上げと組み立て
フィニッシュクリヤは凄く塗膜が弱いのですが、硬化剤を入れることによりかなり塗膜が強くなります。なら最初から入れろよ!という話になりますが、硬化剤を入れると密閉してても硬化が始まり、そのまま放置すると完全に硬化してしまいますので、混合したらそのまま使い切りです。2液混合ウレタン塗装のようなものでしょうか。
硬化剤を混ぜると乾燥までの時間が凄く延びて24時間では触れるまでに乾燥しません。必要に応じ研ぎ出しもするので3日間あけます。
・・・残念なことにかなり曇ってしまいました。やはりフィニッシュクリヤは難しい。新しい溶剤に期待したのですがむずいなぁ。
気を取り直して組み立てます。硬化剤を混ぜたので塗膜はかなり頑丈です。素手で組み立てても問題なし。指紋がついてもクロスで拭いてあげればすぐきれいになります。
せっかくなのでネイルバッファーで磨きました。重ね塗りをする場合、下地につやを出す目的などにネイルバッファーを使用するとワックスが配合されている製品があり、ラッカーもはじいてしまうので(経験者談)重ね吹き時の研ぎ出しには模型用として売られているものを使用しましょう。最終工程であれば問題ありません。
総評
ボーンペイントのニューリアル製品を使用してぴかちゅうをピカピカに仕上げてみました。メッキ塗装までは完璧だったのになぁ。アンダーブラックⅡのレベリング性能とボーンミラーⅡのメッキの仕上がりはここ1年以上でもベストな仕上がりでした。まだ1回目ではありますが、最初の使用でうまくいったので塗りやすくなっているのかもしれないです。
フィニッシュクリヤは新しい溶剤を使ってみましたが残念ながら少しくもってしまいました。砂吹きの層が足りなかったのか、薄めすぎたのか。既存製品では0.5口径を使用して高圧で原液のまま拭いたり色々試しているのですが未だに正解がわかりません。メッキ塗装までは手順を確立できたと思っているのですがフィニッシュクリヤ修行はまだまだ続きます。
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