はじめに:ゲート処理は「分類」から考える
ゲート処理というと「上手いか下手か」の話になりがちですが、実はそう単純でもありません。
ゲートには形状ごとの性格があり、向いている考え方も違う。
今回は普段意識せず付き合っているゲートを、4種類に分類して整理してみます。
- 通常ゲート
- くさびゲート
- アンダーゲート
- タッチゲート
この記事は処理テクニック集というより、ゲートを見る地図を作る総論編です。

「ゲートってそんな分類するもんだったの…?」
通常ゲートはなぜ今も消えないのか
通常ゲートは基準型のゲート。
最も自由度が高く、処理の上振れもしやすい。
うまくいけばかなり綺麗に追い込める一方で
- 深いえぐれ
- 白化
- エッジ欠け
失敗時の被害も大きい。
だから成功も失敗の振れ幅が大きいゲート、という見方がしっくりきます。
古い方式ではなく、今も合理性がある
古い方式だから残っているというより、合理性があるから残っている面も大きい。
- 成形上都合がよい
- 自由度が高い
- 上級仕上げとも相性がよい
「普通」ではなく、今も有力な基準型と見るとしっくりきます。
「通常って名前のくせに、通常じゃないですね…」
くさびゲートは安全設計なのか
くさびゲートは、雑に処理しても大事故になりにくい。
その意味では初心者向き。
これはかなり合理的な設計だと思っています。
最近のキットでは、くさびゲートが増えた印象もあります。
「ポツ化」という現象がある
くさびで処理した後、
ポツンと白っぽい点が残ることがある。
私はこれを勝手に
ポツ化 と呼んでいます。

細かな傷や微小えぐれが白く見えている場合もあるし、応力白化が混ざっている場合もあるかもしれない。
ここでは原因ではなく、見た目としての呼び名としてまとめてこう呼ぶことにします。
「ああ、あれか」と思う人は多いはず。
くさびは悪ではない。
ただ、
入口には優しいが、丁寧仕上げでは悩ましい
という逆説はある。
「安全設計って言うわりに、所長いつも文句言ってません?」
(無言)
アンダーゲートはなぜ判断型なのか
アンダーゲートは楽なゲートと言われがちですが、少し違うと思っています。
私はむしろ
判断型ゲート
という印象。
これは作る側が「どこまで削るか」を判断するだけでなく、
そもそも設計側も「ここをアンダーにするか」を判断しているゲートでもある気がしています。
ダボかゲート跡か迷う
削るべきなのか、設計形状なのか迷うことがある。
地味に面倒。
削り不足は合わせにも効く
残しすぎると、嵌合や合わせに影響することもある。
見た目だけの話ではない。
ただ、多少えぐれても隠れやすく、荒め処理でも成立しやすい利点もある。
なぜ全部アンダーゲートにならないのか
見た目が良いなら全部アンダーでよさそうですが、そうなっていない。
たぶん見栄えだけではなく、設計上の要件があるのだと思います。
「それダボなのかゲートなのか、設計ミステリーですね」
タッチゲートは「外す」で考えていいのか
最初は
ゲートは全部切るもの
と思っていたけれど、タッチゲートは少し話が違う気がしています。
手で外す前提で考えてよい
これは切断ゲートというより、離脱型ゲート寄り。
設計意図に乗って、手で外す考え方もある。
手ごわい相手はハイブリッドもあり
抵抗が強いものは
カッターで軽くなぞる
→ 応力を逃がす
→ 外す
というハイブリッドもあり。
ランナー分割にもタッチ的発想がある
タッチゲートはパーツ接続だけでなく、
A1 / A2 のようなランナー分割部に使われることもある。
これは単なる簡易ゲートではなく、
管理された分離機構
として見ても面白い。
「ゲートにも宗派あるんですか…」
まとめ:ゲートは悪者ではなく役割が違う
- 通常ゲートは基準型
- くさびゲートは安全型
- アンダーゲートは判断型
- タッチゲートは離脱型
どれが優れているというより、役割が違う。
なお、同じキットでもゲートが混在することはあります。
冒頭のアンダーゲート写真では
ひとつのパーツにアンダーゲートとくさびゲートが使用されています。
「キットごと」ではなく
「パーツごと」に見ると、整理しやすくなることも多い。
そう見ると、最近のキットの見え方も少し変わると思います。
次回予告
次は今回何度か出てきた
「その白い点、本当に白化なのか?」
を掘ってみたい。
ポツ化と白化研究、次回は工作も入れて検討します。

「ゲートってそんな分類するもんだったの…?」
「通常って名前のくせに、通常じゃないですね…」
「安全設計って言うわりに、所長いつも文句言ってません?」
「それダボなのかゲートなのか、設計ミステリーですね」

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